皆さん、おはようございます。
今日は、先日ご来店されたカップルが「ダイヤモンドの婚約指輪」を探して色んな宝石店を訪れた時に言われたという話から。ちょっと異議あり！！だったので、ご紹介致します。
ダイヤモンドを選ぶ際、必ず聞く話が「４C」と言われる、ダイヤモンドの評価基準です。その中のひとつ、「クラリティ（内包物があるかないか）」において、「内包物があるダイヤモンドは綺麗じゃないし、ダメなダイヤモンドなんです！」と言われたらしいのです。
本当にそうでしょうか？？？ということで、こちらのダイヤモンドの動画をご覧になってください。
綺麗じゃないですか？？？
めっちゃ綺麗でしょ！！！
ダイヤモンドは、４Cが全てではありません。あくまで「色」「内包物」「重さ」「カット状態」を示しているだけで、実はこの４Cは、我々業界人が、どのような状態のダイヤモンドなのかをわかりやすくするための評価として生まれたものです。輝きや、ダイヤモンドの価値そのものを表すものではありません。
それなのに、一般のお客様にこの４Cの説明をして、あたかも４C評価の上のダイヤモンドしか婚約指輪のダイヤモンドにふさわしくない、輝きが悪い、ダイヤモンドの価値がない・・・というような伝え方をしている販売員やお店があるというのです。４Cが明記された表みたいなもので、「ここから下のダイヤモンドはダメ」「このグレード以上のものじゃないとダメ」みたいな説明もされたと言います。
信じられません・・・
クラリティグレードの「IF（インターナリーフローレス）」というグレードがあります。「博物館級で、この大分県（宮崎県）内ではどこにもないと言っても過言じゃないダイヤモンドが、今回特別に本社からこちらの店舗に届いている、まさにこのチャンスを逃すと買えませんよ！」的な接客をされたらしいです。爆笑してしまいました。。。
確かにIFのダイヤモンドは希少です。しかし最近では、古物ダイヤモンドをリカット（再度研磨する）してIFのダイヤモンドにする技術もあります。本来ならこんなにIFのダイヤモンドは存在しないはずです。それなのにこれだけ大量に存在するということは、作為的にIFのクラリティグレードを生み出すことができるのです。
しかもIFとは「内包物が内面になく、表面にのみ確認できるダイヤモンド」なんですが、我々はピンセットでも持つことが許されません。表面に傷をつけると、たちまちIFからVVS1という風に、グレードが下がってしまうからです。ということは、IFのダイヤモンドをセッティングした婚約指輪は、使うほどにクラリティグレードが下がってしまう恐れすらあるのですね。。。もしそのダイヤモンドが１カラットや２カラット、もっと大きいサイズであれば、IFのダイヤモンドはすごいことになりますけどね。0.2カラット前後のIFのダイヤモンドはリカットで大量生産できてしまうのです。
そんなグレードに固執して、グレードと価格のにらめっこをして・・・みたいな選び方は、きっと良いダイヤモンドに巡り会えないでしょう。もしかしたら「蛍光性」が強すぎて、白く濁ったようなダイヤモンドにあたるかもしれません。もしかすると、高いグレードのダイヤモンドなのに、なんかきれいに輝かない・・・そんなダイヤモンドにあたってしまうかもしれません。同じダイヤモンドは２つとないのですから。同じグレードのダイヤモンドであっても、同じ輝きは絶対にしませんから。
＜全然違うでしょ！＞
そう考えてみますと、ダイヤモンドはやっぱり４Cだけで良し悪しを決め付けるのではなく、ちゃんと自分の目で見ること、ちゃんとした情報を知ることが大切です。
ダイヤモンドの内包物も、すごく神秘的で、天然の証としてダイヤモンドの中で脈々と生きてます。そんな風にご覧になると、すごく素敵だと思いませんか！先ほどの動画のダイヤモンドです。顕微鏡で確認すると、はっきりと内包物が見えますね。
時計で例えると、１２時のところから６時のところに向かってと、１０時あたりのところに内包物が確認されます（細かい物はほかにもありますが）。
もっと拡大してみました。こういう内包物、ダイヤモンド結晶の歪みが入ってるわけです。私はとても神秘的だと思いますし、輝きに悪影響を及ぼさないインクリュージョンであれば、それはそれでオッケーだと思っています。なんでもかんでも「なければいい」とは思いません。
私が接客をする場合は、ダイヤモンドをケースの中から取り出して、このように顕微鏡で拡大したりして、このダイヤモンドの特徴や特性をきちんとお伝えします。そしてこのダイヤモンドの魅力もね！
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